NZの冬である7月、8月にマウントクックの人気トレッキングコースのフッカーバレーを歩くことができるのか?こんな質問に対して2024年7月5日と5月20日、2023年7月15日そして2017年8月14日に歩いた時の写真でお答えします。NZの冬に観光旅行を計画する時の参考にして下さい。
マウントクックのフッカーバレートラックは冬でも閉鎖はされていない。
マウントクック/AorakiはNZの最高峰の山ですが、その麓の
ハーミテージホテルやフッカーバレートラックがある標高は大体760mぐらいです。
だから冬の時期でも積雪があるのは数日です。
だけどさすがに気温は氷点下を下回る日が(それでもマイナス7度ぐらいまで)多くなるので、
凍り付いているような朝を迎えることが多いのですが、
日中晴天の日は10度ぐらいまでは気温も上がりフッカーバレートラックの道のりも
雪や氷に悩まされたり、スノーシューやアイゼンを装着して歩かなければならないことなどありません。
7月や8月にマウントクックを訪れて、冬のフッカーバレーを歩きたい人は
その日の状況を判断して歩きに行ってもいいでしょう。
マウントクック、フッカーバレートラックに雪が積もった2日後の2024年7月5日、快晴だけど凍り付いたトラックをフッカー氷河湖まで歩いてきた時の様子
24年の7月5日にフッカーバレーを歩いた日は2日前に積雪があり、その後この日も含めて最低気温がマイナス7度近くまで落ちた朝の後の快晴の日だったため雪が解けた後凍り付いた箇所がたくさん残っているトラックでした。

キャンプ場の駐車場には残雪はあまりない。
歩き始めのキャンプ場の駐車場にはさほど残雪がある訳でもなく、トラック上には雪や氷が見当たらない、普通に歩いて行けそうに見られました。
だから家族連れや普通の冬の服装、街歩き用のウォーキングシューズの人が大半を占めていました。

風があるので体感温度はマイナス2度ぐらい

かなり凍り付いた残雪があって
手すりをつかまりながら渡りました。
第一の吊り橋を渡った後ぐらいからトラック脇に雪がたくさん残り、トラック上に少し凍り付いている箇所が出てきます。
第2の吊り橋では日中も日陰になっているこの橋の上には凍り付いた雪の塊が残っていて、滑らない様に手すりにつかまりながら渡るようになります。

多くなる第2の吊り橋を渡った後
第2の吊り橋直後のフッカーリバーから日が照りつけるトラックになるので、解けた雪が凍り付いているのがトラックの横幅一杯にある箇所が出始めます。
雪がうっすらと残っているところか、どちらか脇の砂利が出ているか箇所を探しながら歩いていきます。

雪化粧したパノラマ絶景
ボードウォークの上はプラスチックの網が貼られているのでしっかり歩いて行けます。

凍り付いたトラックが連続で続いていきます。
第3の吊り橋を渡ったところから道幅いっぱい凍り付いているところが続くようになり、ちょっとしたスロープの区間も登るのも難しくなっていきます。ツルツル滑りながら歩いていきます。
階段になっているところはステップの部分に雪が凍って盛り上がっていて、その上に足をのせるとやっぱり滑るので
ゆっくり足をのせながら一歩一歩登るか、わずかに乾いた木の部分を選びながら登ることとなりました。

テーブル椅子も凍り付いているから
あまりゆっくりとは休憩できません。
帰り道はもっと大変でした。
日が照っているところがわずかに溶けてすぐ後に凍っている箇所が増えた感じになって、どこも足元を常に気を付けながら帰ってきました。
それにしてもこの日はたくさんの人が歩きに来てました。
ほとんどの人が観光客で、こんなに凍り付いているトラックが後半に出てくることを知らずに歩き始めて、
他のたくさんの人が歩いているもんだから自分も歩けるだろうと考えている人たちが
引き返すこともできずに歩いている感じでした。
7月5日にマウントクックのフッカーバレートラックの凍り付いている道のりの様子も分かるユーチューブビデオ
マウントクックのフッカーバレートラックを2024年5月20日、前日に45cmの積雪があった翌日に歩いた時の様子
マウントクックの麓にまで雪が積もるのは
毎年5月下旬から9月ぐらいまでに毎月3日ぐらいの割合であります。
そのマウントクックの村やフッカーバレートラックのある標高760mまで
24年の5月19日には雪が積もって積雪45cmを記録しました。
その翌日である20日にフッカーバレーを歩いてきました。
マウントクックへと向かう国道80号線ではプカキ湖を越えたあたりからは雪原が広がる景観に変わり、
マウントクックにAM10:45ほどに到着した際は
フッカーバレートラックの出発点であるキャンプ場へのHooker Valley Road は
除雪の為閉鎖になっていて、誰もがキャンプ場には車で入って行くことが出来ないため
仕方なくハーミテージホテルに車を停め、
そのホテル脇のトラックからフッカーバレーを目指し歩き始めました。
このホテル脇から始まるトラックは
すでに人が歩いて出来上がった雪が踏み固められて凍った道が出来上がっていました。
この凍った滑りやすい道がこの日はこのホテルまで帰って来るまでずーっと続くこととなりました。
また、この歩き始めの時点ではまだフッカーバレートラック自体は
オープンされていないことが、途中で引き返してくる人に問い合わせたら
”ミューラー氷河湖の見晴らし台までは行ける”ということから分かりました。

ハーミテージホテル前から
キャンプ場の駐車場までのトラック

フッカーバレートラック出発点の
キャンプ場の駐車場
ミューラー氷河湖の見晴らし台から眼下の第一の吊り橋を見下ろすと、
すでに橋を渡ってその先へと歩いて行っている人が見られたので、
フッカーバレートラックがオープンされていることがこの時点で分かりました。
このようにこの第1の吊り橋にはゲートが設けられていて、
何かその先の天候が強風や積雪などの影響で歩いていくには、もしくは戻ってくるには難しいと
判断されるとこの国立公園の管理部門がこのゲートを閉ざして、
誰一人この先を歩いていくことをさせないようにします。
ゲートが開いていて吊り橋を渡って行けるということは
その先は自己責任の下フッカー氷河湖まで歩いて行けるということになります。

フッカーバレートラック
第一の吊り橋ゲートオープン
フッカー氷河湖までは滑りやすい道のりなので
普通の登山靴ではいつもより30分ほど余計に時間がかかってたどり着けました。
その時点ですでに10人ぐらいの人が見晴らし台、及び氷河湖の岸で休憩していましたが、
私たちも休憩しているうちに続々と多くの人がこの氷河湖まで歩いてきました。
この休憩しているときに、数組のカップル(日本人が主にですが)は
チェーンスパイクを装着して歩いているのを見かけました。
こんなほぼ平坦な道のりだけど凍り付いているトラックでは
大変役立つだろうなとうらやましい限りで見つめていました。

この日は雪がたんまりと残っているフッカーバレートラックでしたが、
マウントクックの雄姿は山頂まで曇り空の下
氷河湖から引き返す時までしっかり見ることが出来ましたが
帰り道の途中からはPM14:30という日中の時間からガスが山並みを覆うように出てきて、
ホテルまで戻ってきたときにはフッカーバレー自体がすっかりと雲の中に入ってしまいました。
私たちは大丈夫だったのですが、このガスが掛かると雪道が白いので、
明かりが少なる分ホワイトアウト状態になってその足元の雪道の起伏が全く分からなくなり
歩くのもより一層滑りやすくなると思われました。

フッカーバレートラックPM1300
ボードウォーク正面にマウントクック

ガスが掛かり始める
ボードウォークにて
マウントクックのフッカーバレートラックを2023年7月15日に歩いた時の様子

フッカーバレートラック入口
2023年の7月15日(土)は実はNZの学校は冬休み中で、
前日の金曜日が祝日(Matariki)である3連休の中日ということもあって、
フッカーバレートラックには地元の家族連れがたんまりと歩いていました。
写真に写っている人の服装から冬であることが分かるのではないでしょうか?
7月15日にフッカーバレートラックへ歩き始めたのはAM10時30分過ぎからでした。
その時間にマウントクックの天気予報をMet Service のアプリで見ると、
気温は8℃、薄曇りの天気予報でしたが、強風注意報が出ていました。
実際マウントクックに到着したときにこの時期にしてはとても暖かい朝だなと感じました。
けれど、風があるのでしっかりと冬の服装、
風よけにもなるゴアテックスの厚めのジャケットを着て歩き始めたのですが、
他の人と同じく歩き始めて20~30分後には上着は脱いで歩くことになりました。
風はきついのですが、天気予報画面からも分かるように北西の風だったのです。
NZでの北風は温かい風です。まして北西の風は雪ではなくて雨をもたらす風になります。
(これが南寄りの風になると体感温度が一気に下がります。)
だから冬の強風でもさほど寒く感じる風ではありませんでした。
すれ違ったりする地元の人の中には半袖で歩いている人もいるし、
多くの人は歩き始めの時に着ていたダウンジャケットを脱いで歩いている人ばかりでした。

第2のミューラー氷河湖ルックアウト
からの展望
第2の吊り橋までの道のりは冬の時期、午前中は日陰になるところだけど
今年はどこにも残雪や凍結しているところは見当たりませんでした。

フッカーバレートラック進行方向
正面に見れるマウントクック
第二の吊り橋を渡ればマウントクックの雄姿が正面に見えてくるのですが
7月、8月の冬は太陽が高く上らないので午前中は山の頂上方向がちょうど逆光になります。
いつもの7月ならこのボードウォークも残雪が凍り付いていることが多いけど
今年は全く安心して歩けました。

湖面が半分凍り付いていた
フッカー氷河湖まで歩いてきてやっと冬らしい景観が見れました。
フッカー氷河湖の湖面が半分凍り付いてました。
多くの人がその湖面に石を投げつけていました。
マウントクックのフッカーバレートラックやフッカー氷河湖が凍り付いている日も7月、8月の何日かはやっぱりあります。
マウントクックのフッカーバレーを2017年の8月14日に歩いた様子

マウントクックのフッカーバレーへの出発点でもあるキャンプ場は雪も無い。
だけどここの水洗トイレはこの冬の時期は閉鎖されて(水道が凍り付く)、
簡易トイレが設置されます。

フッカーバレー・トラックはフッカーレイクに至るまで3本の吊り橋が出てきますが、
2本目の吊り橋まではその道のりも凍り付いていたり、
雪がトラック上に残っていることはあまりありません。

フッカーバレーにも雪が積もる日はさすがにあるのですが、
スノーシューなどで歩いていくほどは積もっていたりする日はほとんど無いけど、
残雪が凍り付いているところはさすがに多くなります。
けれどアイゼンをつけて歩くには無理なほどの道のりになります。
2本目の吊り橋を渡った後は
写真のようなボードウォークの道のりも凍り付いていることがあるけど
そんなときのためにこのボードウォークには金網が引かれていて滑り止めにもなってます。

2017年8月14日のフッカーレイク。
こんな冬の時期でもこのフッカーバレーを歩きに来てる人は結構いて、
冬の間はこんな氷河湖となってるフッカーレイクを見ることができます。

2017年の7月は記録的にも寒い月でもあってマウントクックの最低気温は
マイナス14度まで落ち込んだ日がありましたが、
フッカーバレートラックの終着点であるフッカーレイクも
6月下旬から8月上旬にかけては凍り付いていたりします。
この姿がまたとてもきれいだと思います。
マウントクックのフッカーバレートラックをセルフガイドでNZの冬に歩く旅行計画を立てるのに役立つサイトページ、過去ブログ
NZブリーズのマウントクックへの観光ツアーの作り方ページ
マウントクックにNZの冬、7月、8月に行くためのNZブリーズのチャ-ター車送迎ツアー


