NZのテカポを含む国際ダークスカイ・リザーブ;星空保護区に入るマウントクックで天の川;Milky Wayの写真を撮りたくて月が出てくる前の夜にフッカーバレートラックをフッカー氷河湖まで歩いてきました。NZへの星空撮影旅行計画の参考にしてください。
マウントクックのフッカーバレートラックで天の川、ミルキーウェイを撮影、そしてRaw画像をレタッチしてこのブログに公開するまでのプロセス
マウントクックでの天の川撮影計画を立てる際に考えた日時、場所、方角
マウントクックのフッカー氷河湖の上に天の川がマウントクックの頂上から立ちあがっているような写真を撮りたいと思いついた。
マウントクックはテカポと同じ星空保護区、ダークスカイ・リザーブだから光害の心配なし。
天の川だけの写真ならそれがどこになるのか分からないので前景、または地上の風景としてマウントクックはNZらしさの天の川写真としては最高になるだろうと自己満足に入った。
そして冬のフッカー氷河湖なら湖に氷山がきっと浮かんでいるはず、もしくはマウントクックの山肌も麓まで雪がたんまりあって、真っ暗闇の中でもその湖面や山肌が浮かび上がるはずと想像できた。
マウントクックでの天の川の星空撮影を思いつくきっかけになったのは
Milky Way Chasers New Zealand というフェイスブックグループです。
このフェイスブックで投稿されている写真のようなものまでは決して及ばないけどマウントクックならこれまで何度も訪れているところだし、ミルキーウェイと周りの風景を考えるとマウントクックという山、そしてフッカー氷河湖が前景になるのは撮影技術や機材が乏しくても何とか満足いく写真が撮れるかな!と思いついたからです。
マウントクック、またはフッカー氷河湖を前景にした場合その方角は歩いて行けるフッカー氷河湖の湖岸から見ると真北になる
NZの冬から春にかけて天の川は北に昇って南西方向に沈んでいくので北から南西方角に前景に適した、そして露出補正で暗がりの中でも浮かびあげることができる人工物などがあれば最適。
テカポの良き羊飼いの教会は最適な建物ですが、この星空写真はインスタグラムなどにもたくさん投稿されているので、それは次回に回して、マウントクックのフッカーバレートラックではマウントクックやフッカー氷河湖が真北に見れるし、フッカーバレートラックの西、または南方向には氷河をいただいた山並みが続くので最適な天の川撮影場所になるはず。
マウントクックの観光、トレッキング用にNZブリーズが作成したグーグルマップ
9月の月齢と日の入り時間をチェックしたら、9月16日(金)のPM20時以降17日(土)のAM23:30ぐらいまでなら真っ暗闇の中で撮影ができそう、というのが分かった。
そして9月になると日の入り時間が遅くなって夜の時間が短くなる。
NZでも天の川の撮影ができる夜は、もちろん新月の夜が最適なのだけど、新月の1週間前後なら時間を選べば暗闇での撮影が可能。
NZのマウントクックでの月の昇る時間、沈む時間、そして月齢を調べるのにこちらのサイトを参考にした。
また、NZのマウントクックを含む南島では緯度が高いこともあって、9月から3月ぐらいまでは日の入り時間がとても遅くなって、日の出時間が早くなり、星が瞬いている時間帯というのが短くなります。
NZでの星空、天の川の撮影に適しているのは夜の時間が長くて、空気が澄んでいる冬の時期です。
NZの冬は6月、7月、8月です。
NZ南島なら4月から9月にかけてサマータイムが適用されてなくて、緯度が高いので冬の3か月に加えて4月、5月、そして9月中旬ぐらいまでは星空撮影には適しているシーズンと言えるでしょう。
天気が悪い日、雲が覆っている日のほうが多い。
今回9月16日にマウントクックに行った最大の理由は天気がいいことが期待されたからです。
8月にも予定していたのですが、今年は7月、8月ともに大雪や記録的な大雨の日があって行けませんでした。(国道80号線が道路閉鎖された日も多かった)
天気や雲が出ているかどうかはその日のその時間、その場に行ってみなければ分からないことだと思いますが、マウントクックでの星空撮影計画を立てるのもラッキーチャンスを願うだけになると思います。
それでもNZの気象庁に当たるMet Service のマウントクックの天気予報ページを事前にチェックしておくことも気休めにはなるでしょう。
その点やっぱり周りに高い山がなくて、標高が700mはあるテカポの冬のほうが快晴で、冷え込んで空気が澄み渡る夜になる確率が高いです。
アプリで天の川の中心がどの方角に、何時ぐらいに見れるかを無料アプリでチェックした。
星や天の川の位置を特定の場所、日時、時間で調べるのに私が最近使っているのがStar Walk 2 です。
以前は星座表;Star Chartを使っていたのですが、今年になってアンドロイドを更新したらこのアプリを開くことができなくなってStar Walk 2 に乗り換えてます。
星座表のほうがスマホの画面上の位置と実際の星や天の川の位置(特に地表からの高さ、角度)がぴったり合っていると思います。
今回事前にStar Walk 2 でチェックしてその画面(下記のスクリーンショット)から想像するとマウントクックのフッカーバレートラック上の9月16日の夕日が影響のなくなるPM20時ぐらいなら
天の川の中心がマウントクックの山頂から少し西寄りの45度ぐらい斜め上にあるだろうと思っていたのだけど、実際マウントクックに行ってみると、天の川の中心の位置は頭上、真上にあって”フッカー氷河湖の上に天の川がマウントクックの頂上から立ちあがるように上っているような写真”は撮ることはできないと気づきました。

9月16日PM20:02に
天の川が見れる
位置、方角をチェック
Sky Walk 2 アプリ のGoogle Play Store でのダウンロードページはこちら
Sky Walk 2 アプリのアップルストア でのダウンロードページはこちら
天の川や星の撮影にプロのカメラマンも使っているアプリは Photopills です。
有料だけど星空撮影には神アプリになります。
私は以前にブログで紹介している(スマホにもダウンロードしたまま残っている)のにも関わらず、まだ使い切れていないので、月齢や日の入り時間をサイトページで調べて、Sky Walk 2アプリを使ってマウントクックへと出かけてきましたが、このPhotopillsアプリを使えばすべて解決します。


マウントクックのフッカーバレートラックならフッカー氷河湖まで車を停めるキャンプサイトの駐車場からの往復に3時間あれば歩いて戻ってこれる。
マウントクックのフッカーバレートラックは、
フッカー氷河湖まで出発&帰着地点になるホワイトホースヒル・キャンプサイトの駐車場から、
・約5.5km
・ほぼ平坦な道(標高差130m)
・フッカー氷河湖まで一本道、分岐点は無い。
・出発点のキャンプサイトの駐車場を含めてトラック上には
一切電灯などの人工的明かりは無い。
けれどヘッドライト一つでもトラックは十分照らし出すことができる。
・夜間にトラック上に出てきて危険を感じる野生動物はNZにはいない。
ただし、9月16日の夜もそうだったのですが、気温がマイナスになって冷え込みます。途中には凍結している箇所が数か所あって、真冬の7月、8月には雪が凍り付いたままの場所も多くなるので
ヘッドライトでトラックを照らし続けて歩く方が良いでしょう。
(そういってもアイゼンなどは必要はありません。)
フッカーバレートラックを歩く場合の注意点は、
ネットに接続はできなくなる圏外になります。
出発点のキャンプ場ではオンラインで通信が可能ですが、フッカー氷河湖ではもちろんのこと、第一の吊り橋を渡って以降ぐらいからネット接続はできなくなります。
グーグルマップなどを見ながらフッカーバレートラックを歩くことはできなくなります。
GPSは届くのでオフラインでも見れてマップアプリやトレイルマップアプリを利用するほうがいいでしょう。
無料のアプリもダウンロードできるWikilocに
NZブリーズが投稿しているマウントクックのフッカーバレートラックのトレイルマップ
マウントクックでの天の川撮影に使ったカメラ、レンズと現像、レタッチのために使ったフリーソフト
マウントクックンの天の川撮影に使ったカメラ、レンズ
私が持っている星空撮影用のカメラ機材の全て。
Canon RP
Samyang 14mm F2.8
三脚
ヘッドライト(昼光色)
赤道儀は持っていない。
レリーズは持っていない。
私はいつも三脚を使った写真撮影の時はもっぱらタッチスクリーンシャッターで済ましているのだけど、望遠レンズでの撮影では無いからこれでもOKと思っています。
マウントクックの天の川Raw画像の現像処理に使ったフリーソフト
キャノンのカメラ機種専用のイメージ処理ソフトDigital Photo Professional
キャノンのミラーレス・カメラ RP だからDigital Photo ProfessionalでRaw画像を開いて画像処理を行うことができます。
けれど、今回はこれを使った現像はしていません。

マウントクックフッカー氷河湖
Raw画像1枚のJPG写真
上の画像のようにシングルショットのRaw画像をDPPでレタッチしてもいいのだけど、
ノイズ処理を強めるためと銀河や周りの景色の色合いやメリハリ輪郭をもっとくっきりさせるために複数枚の写真を合成する無料ソフトウェアであるSequator を利用しました。
このソフトでのRaw画像を積み重ねた(Stacked)後、保存できるファイル形式はjpg もしくは tiff となるので、tiffで保存した画像はDPPでは開いてレタッチをするできないことに気づいた。
下の画像が
マウントクックフッカー氷河湖と天の川のRaw画像をSequator で13枚積み重ねて一旦Tiff画像に保存した後このブログのためにjpgファイルに変換したイメージです。

13枚を重ねたJPG写真
天の川や星空Raw画像のレタッチにはAdobeの Lightroom を使用するのが定番だと思いますが、星空写真初心者である私には以下の理由で使っていません。
・有料のLightroomを使いつくすほどまでに星空写真を撮ることは無い。
・手持ちのパソコンのシステム容量がlightroomを快適に動かすだけのスペック
(推奨メモリ=16GBメモリ)がない。
・マスクをかけて細部まで補正することなど私には無理、そこまで時間をかけたくない。
・結局このブログやフェイスブック、ホームページに載せるぐらいなので自己満足でOK。
また、
天の川と前景、人工物を合成処理することはするつもりはなかった。
次回はこの合成処理にチャレンジしてみようと思っています。
(その場合もLightroomではなくて、手持ちのフリーソフト Gimp を利用する予定でいます。)
Darktable
英語ソフトだけどLightroomと同じような処理が可能な無料ソフト。
私には使いこなすことができない処理項目が大半だけど、DPPでも行う露出(exposure)、コントラスト(contrast)、シャドウ(shadows)、ハイライト(highlights)などをスライダーを動かして簡単に処理しています。
レベル調整やトーンカーブまでは触っていません。
PhotScape
このソフトはかなり以前から使っていて、使いやすい。
有料Proバージョンでなくても個人的には満足した処理ができる。
まして、
自動レベル調整と自動コントラスト調整に加えて露出量を調整するだけで十分の処理が速攻でできる。
下の画像が
マウントクックフッカー氷河湖と天の川のRaw画像をSequator で13枚積み重ねて一旦Tiff画像に保存した後PhotScape で自動レベル調整(弱)と自動コントラスト調整(中)+少し露出量を増やしてからノイズ軽減も行った画像です。

Canon RP Samyang 14mm F2.8
25sec ISO6400 13shots stacked
マウントクックのフッカーバレーで撮影したRaw画像をノイズ処理のために合成後、フリーソフトで簡単にレタッチした後の天の川の写真
このブログに載せているマウントクックでの天の川の画像は
JPGファイルに変換した後サイズも1920 x 1281 ピクセル に縮小しています。
フッカー氷河湖とマウントクックの上に昇る天の川

Canon RP Samyang 14mm F2.8
25sec ISO6400 9 shots stacked
マウントクックの山並みの上に銀河の中心が横たわる天の川
フッカー氷河湖での撮影後時間がたつに連れ天の川が高度を下げてきた。
駐車場への帰り道には山並みの上にちょうど良い角度で撮れるようになったので天の川の中心をメインに据えて数枚撮ってみた。

ミューラーハット、マウントセフトンの上に
横たわる天の川
Canon RP Samyang 14mm F2.8
20sec ISO5000 7shots stacked

フッカーバレートラック第一の吊り橋と天の川
Canon RP Samyang 14mm F2.8
20sec ISO5000 7shots stacked
フッカーバレートラック上にある人工物を前景として入れた天の川、星空写真
マウントクックに行く前に撮ってみたい写真のイメージは、フッカー氷河湖とフッカーバレートラックのボードウォークでの写真だった。
フッカーバレートラックのボードウォークもマウントクックを正面に(=真北に)見据えながら歩けるので、きっとボードウォークの先にマウントクックがあって、その頂上に天の川が立ち上ってまるで銀河へのボードウォークに見えるような構図を想定していたのですが、これも来年に残しておきます。

Canon RP Samyang 14mm F2.8
25sec ISO5000 9shots stacked
人工物の吊り橋を入れたのだけど撮っているときには結構いい前景になっていると思っていたけど現像してみると吊り橋だか、なんだか分からない絵になってしまって不満足な画像になりました。
次回は慰霊碑や方位盤を前景に取り入れてみようかなと思ってます。

Canon RP Samyang 14mm F2.8
20sec ISO5000 9shots stacked
街灯などが一切ないフッカーバレートラックで前景として吊り橋やボードウォークを照らして、画像の中のポイントにしてみたかったので手持ちのヘッドライトを使ってみたのですが、ヘッドライトの昼光色ではあまりに明るすぎて天の川が目立たなくなってしまいました。
これだと日中の写真のほうがマシです。
今後は前景を照らすライトの種類や色を検討してみます。

ヘッドライトで照らした第1の吊り橋と天の川
Canon RP Samyang 14mm F2.8
20sec ISO5000 8shots stacked
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マウントクック・ロッジ/Mount Cook Lodge
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マウントクックの頂上から天の川の中心が立ち上る写真を撮りたかったのだけど、9月では日の入り前、もしくは日の入り直後にしか天の川の中心がマウントクックの頂上にかからないので、写真のように少し北西寄りに、しかも天の川の中心がほぼ頭上真上に達している時間に撮った写真になった。
来年の7月、8月ぐらいに再度チャレンジしてみようと思ってます。