ミルフォードサウンドへの道のり途中にそのミルフォードサウンドを見下ろすことができる上級者向けトレッキングルートがあります。ゲートルードサドル; Gertrude Saddleという標高1420mほどの鞍部まで道標を頼りに、とても急な瓦礫と大岩の斜面を登って行く、危険ヶ所たくさんのルートですが氷河地形と絶景を満喫できるNZの中でも一番と言える日帰りトレッキングルートです。
ゲートルード・サドル・ルート / Gertrude Saddle Route を歩くのに役立つマップ、サイト、動画
ゲートルード・サドル・ルートの基本トレッキング情報

日影で凍り付いた岩肌

溜まる谷間
ゲートルード・サドル・ルート写真付き日本語グーグルマップ
ゲートルード・サドル・ルートを歩くためにはテアナウ又はクイーンズタウンから格安レンタカー利用が最適
ゲートルード・サドル・ルートを歩く際の注意点がしっかりと分かるNZマウンテン・セイフティー・カウンセル作成動画
ゲートルード・サドル・ルートのインスタグラム・ハッシュタグ / #gertrudesaddle
ゲートルード・サドル・ルートのダウンロード可能GPXデータ付きマップと高低差表
ミルフォードサウンドへの道のり途中にあるトレッキングルート;ゲートルード・サドル・ルート / Gertrude Saddle Route のハイライト動画と解説
グーグルマップ上ではGertrude Valley Lookout Car Park と表記されている、
ホーマートンネルの少し手前のところがゲートルード・サドル・ルートの
出発、そして帰着地点
テアナウからゲートルード渓谷ルックアウト駐車場まで、
約100km、レンタカーで約1時間20分
トイレ有り。(ルート上には一切トイレはありません。)
早速ここには歩く場合の注意看板があります。
歩くなら晴れている日のみ!(Only Walk On Dry Day)
急斜面、滑りやすい岩肌、川を渡る、雪崩、岩盤滑落、強風を遮る遮蔽物は無い
(Steep, Wet Surface, River Crossing, Avalanche, Rock Fall, Exposed)
といった注意事項が書かれています。

駐車場を出発して谷奥へと入って行きます。
ルートの入り口の案内には
片道4.5kmほど(看板には3.5kmとなってますが、実際は4.5km)、
所要時間は往復で4時間から6時間と書かれています。
出発してからはオレンジポールを探しながら歩いていくことになります。
一応ルートは道らしいトラックがあります。
けれど、腰程まである草や灌木の中に紛れていたり、瓦礫、岩場の中に
あったりするのでそのトラックを歩きながらでは非常に見失いやすいので
常に次のオレンジポールをオレンジポールを探しながら行くと最短で
楽なルートを歩くことができます。

歩き始めはゲートルード渓谷の奥の方へ緩やかに登って行く感じです。
その標高差は130mほど。
この渓谷の谷底を歩くときは時折両側の山肌を見上げてみてください。
氷河が削り通った後に残った谷の姿がよく分かるでしょう。
遠近感が薄れて分かりにくいと思いますが、
両側の切り立った山肌は見上げて見えるところまで
優に700mから1000mの高さがある岩壁です。
まあこの谷間は12月から1月中旬にかけてNZの高原植物の花が咲き乱れる
お花畑になります。特にマウントクックリリーがたんまり咲き乱れる時期があります。
基本的に渓谷の奥へと進んでいき、
進行方向左手前方がサドルへと上って行く山肌の斜面になります。
オレンジのポールを探しながら歩いていくと入口も見つかるでしょう。

サドルへと上って行く斜面に入ると
そこからほぼサドルまで延々と急斜面が続く覚悟で上って行って下さい。
ジグザグとルートがなっている場合もありますが、基本的に
ルートはほぼ斜面を真っ直ぐと上るような道になってます。

最初の急斜面を上れば素敵な滝の水が流れ落ちる小川を渡ります。
ここから先が本格的に危険地帯へと入って行きます。
だから小川の前には再び注意看板があって、
雪、強風、突風、雨、霧なら引き返すのはここ!!
(Stop and consider before you proceed)
川の流れを越えて行く場所はここだけです。
川を越えて行かなければサドルには安全にたどり着けないでしょう。


小川の流れを超えれば
その水の流れのもとになる滝の水の流れを
左に見ながら登って行く斜面になり、
急な砂利道になります。
大き目の石、岩、砂利の急斜面になるので
靴の下でその岩が滑ったり、転がったりするので
登りももちろん下りの時もかなり気の使う斜面になります。
けれど、時折振り返ると歩いてきた
壮大なゲートルード渓谷を見下ろせます。


瓦礫の急斜面が終わると次には岩肌の上を横切るようになっていきます。
分かりにくいのですが岩肌には
道標としてオレンジの三角マーカーが釘打ちされています。
春先には、この岩肌の上には雪解け水などが
幾筋にも分かれて滝へと流れているのですが、
4月以降ぐらいからこの流れが凍り付きます。
日中も陽が差し込む時間が少なくなるためその氷が解けることの無い岩肌になります。
凍り付いていないで水が岩肌をつたっているときでも
この鈴の流れがある部分の岩肌には足を載せないで
乾いている岩肌を探しながら歩いていくと良いでしょう。
この岩肌の上を歩くようになる前にはやはり注意看板があります。
濡れている岩肌は避けましょう!(Avoid wet rocks)

岩肌の斜面を横切れば、
急な岩壁をケーブルワイヤーを頼りにしながらよじ登って行きます。


ワイヤーロープを使ってよじ登ると大きな湖;Black Lakeが現れます。
ここで初めてゲートルードサドルが湖の奥に見えることになり、
そこを目指してもう一度急な斜面となる岩肌を
第2のワイヤーロープを使って登って行きます。

2本目のワイヤーロープが張られている岩肌を上れば
そこからサドルまでは大きな岩が溜まっている谷間を通ることになります。
この谷間の登りもオレンジポールを頼りに上って行きます。
そのルートが最短で、最も上りやすくて、安全ルートだと
思っていたほうがいいでしょう。
けれどこのオレンジポールが
直近では大岩の陰に見えないことの方が多いと思うので、
遠くから道筋を決めてから登って行くといいでしょう。
春先から1月ぐらいまではこの辺りには
山の上から落ちてきた雪崩の残雪が残っています。


大岩の上をよじ登って行けば
やっとゲートルードサドルにたどり着きます。
ここからはミルフォードサウンドの入り江が
ほぼ正面の谷間の奥に見えるのですが、到着時は
雲が強風と共に谷底から吹き上がってきていたので
ほぼ視界は無い、真っ白な視界でした。
谷底から吹き上がってくる風はとても冷たくて
のんびりとたたずむこともできないのですが、
私はランチを山肌に隠れながら取ったり、
サドルの斜面に咲いている高原植物の花の
写真を撮ったりして
(特にサウスアイランドエーデルワイスが一杯咲いていました。)
1時間ほど時間をつぶしました。


1時間ほど待った甲斐があって
雲が途切れてミルフォードサウンドまで見通せる
絶景を拝めることが出来ました。
私は一般の人が特別な装備も無くて歩いて登って来れる
フィヨルドランド国立公園内にあるトレッキングルートでは
ここの景色が最も絶景だと思っています。


