カカポ;世界一重たい飛べないオウムのひなが見れた。

ニュージーランドの鳥,ペンギン
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カカポのひなを見ることができました。これは非常にまれな体験です。NZの人でも生きてるカカポを間近に見ることはできないのですが、今月の週末だけインバーカーギルで一般公開されています。

カカポは世界で最も重たく、飛べないオウムと知られていて、NZにしかいない固有種の鳥です。2016年現在では126羽しか存在しない絶滅危機の鳥です。今年はこのカカポが過去最高となる繁殖の年となって、4月の段階で46羽が羽化しました。これは2009年の22羽を上回る記録となってます。この後自然界で全てが育っていくのは難しいのですが、今年は10個の卵がインバカーギルの特別人工飼育センターに移され羽化の手助けから人の手による餌付けが行われて、自然界でも独り立ちできるまで育てられていました。このうち半分のひなは来週に、そして残り半分は6月初旬にカカポの為に管理されている無人島へと戻されます。この島へと返される前にひなが一般に公開されることとなって、そこへと出向いていきました。

このカカポのひなの姿は写真を撮ることが許され無かったのですが、見学ルームの中では2羽のカカポのひなを見ることができました。羽化から80日は経っているということでしたがすでにその大きさは鳥にしてはかなり大きいものでした。大人になると60cmぐらい、およそ鶏ほどの大きさになるのですが、ひなの段階ですでに20cmほどの体長はありました。すでにしっかりと全身は羽毛で覆われているのですが、よくカカポで言われるようなきれいなダークグリーンの羽毛で、そしてその細い一本一本がかなり光沢もあるのが間近に見られました。

カカポのひな

(カカポのひなが期間限定で一般公開されたのはインバーカーギルの市内中央にある使われていないビルの一室を改装して作られた人工飼育ルームの中でした。通常この施設は一般公開されてないので看板などもありません。)

カカポのひな

(カカポのひなが見れる見学ルームでの写真撮影は禁止されていたので壁に架かられていた写真を撮りました。こんなかわいらしいひなが2匹しっかり動き回っているのが見学ルームでは見れました。)

カカポのひな飼育室

(見学ルームの外には人工飼育場もあって、羽化後の小さいひなに手助けで餌を与える部屋も覗けます。ひなが小さい間は注射器などによって液状の餌を与えるようです。)

カカポリカバリープログラム
(DOCはカカポの再生プログラムを行っています。そのサイトと今回のひな一般公開の記事ページ;http://kakaporecovery.org.nz/

KakapoTVNZVideo

(カカポについてのTVプログラムビデオ。動き回っているカカポの姿をこのビデオで見ることができます。)

カカポについて
・飛べないオウム
・NZ固有種
・成長したオスは2kgから3.5kgまでになり世界で最も重たいオウム
・主に夜に行動する夜行性;見学ルームも暗い室内でした。
・繁殖時期は3年~5年おきにしか訪れない。=食料となるNZ固有種のリムの木の実が3~5年おきぐらいにしか実らないため。このリムの実がたくさん実る年の夏に繁殖時期を迎えるといわれている。;前回の繁殖の年は2014年だった。その前は2009年。
・1970年代には49羽まで減った。
・マオリにとっては食用にもなっていたが、なんといってもその羽毛が素晴らしく、暖かく、そして甘い匂いも出るためこの羽毛を使った肩マントはマオリの酋長などに使われる価値のあるマントであった。
・また入植者にとってもこのカカポの羽毛とフラックスから作られたマントやコートは当時ミンクやテンなどのコートより価値のあるものとして取引された。
・NZ固有種の鳥の中で唯一”レックシステム Lek System”という求愛行動を行う。
・カカポの求愛行動;繁殖期の夏にオスは開けた森の中の地表にくぼみを掘り、そこに居座ったまま毎晩8時間連続でメスを引き付けるために”ブーン、ブーンという鳴き声を立て続ける。この低い唸り声のような音は周囲7kmほどまで聞こえるという。ときに他のオスもこの求愛行動をとるため森全体にブーン、ブーンという音がコーラスのように響き渡るといわれてる。メスは好みの音を聞き分けてこのオスの元へとやってくる。繁殖の年の夏にはこれが2~3か月毎晩続けられるらしい
・オスの求愛行動のこのブーン,ブーン声はこちらのサイトで聞くことができます。http://www.doc.govt.nz/Documents/conservation/native-animals/birds/bird-song/kakapo-18.mp3
・カカポがいるのはNZでも3つの無人島だけ。(Codfish Island, Anchor Islands,Little Barrier Island)どの島も一般には公開されていない。一般の人が立ち寄ることができない島。他のキウィバードなどの飛べない鳥みたいに動物園や野鳥園にもいない。