レイク・マリアン/氷河谷へ往復3時間のトレッキング

ミルフォードサウンドへの道のり途中の往復3時間ほどのトレッキングルートであるレイクマリアン・トラックを歩いてきました。素敵な氷河が削り上げた渓谷と神秘的にきれいな湖が見れる半日トレッキングルートです。

レイクマリアントラックの出発点はミルフォードサウンドへの道のりから少し外れた所になります。近くにルートバーントラックの出発点であるディバイドがあり、そこから往復3時間ほどで楽しめるキー・サミット・トラックが海外からの旅行者にも知られていて、ミルフォードサウンドへの行き帰りに立ち寄る人が多いのですが、このレイクマリアンは同じく往復3時間ほどの道のりですが、キーサミットほどは知られていなくて、後述するように少しキーサミットより道のりが厳しいものになることからお気軽トレッカーには認知されていないトレッキングルートです。けれどこの日も若いバックパッカー系の人たちがたくさん歩いていましたが、そういった整備があまりされていない山道でも歩いてみたいと思う人で、体力がある程度あって、NZらしいトレッキングをより一層楽しみたい人にはお勧めの半日トレッキングになります。

レイクマリアンまでのトレッキングルートは出発点が標高300mほど、そこから原生林の森の中を登って行き、標高720mに至ると氷河が削り通った後に出来上がった大きなU字谷が現れ、その谷底に深緑の湖;Lake Marianが現れます。その距離はおよそ3.3kmほど。その道はほとんど緩やかな登り道ですが、地面から出ている岩や木の根っこが絶え間なく続くため常に足元を気を付けながら歩くことになりすたすたと歩いて行くことは無理です。時にはぬかるみもあり、また両手を使ってよじ登る所も出てきます。基本的にはオレンジ色のマーカーが木の幹などにくぎ打ちされていてそれが目印となる森の中のトラックです。

行き着くレイクマリアンは本当にきれいな湖です。周りの岩山も奥に2263mのマウント・クロスカット、西側の一番高い部分が2474mのマウント・クリスティーナの山並み、そして東側が1899mのマウント・リトルの岩肌が取り囲むU宇谷となり、どちらを見ても切り立った岩壁の谷間になります。晴れている日には是非ここまで登ってくることをお勧めします。

レイクマリアントラック駐車場

(レイクマリアン・トラックの出発点はホリフォード渓谷にあり、駐車スペースには多くのバックパッカー系の車、キャンピングカーがこの日もたくさん停まっていました。)

レイクマリアンフォール見晴らしプラットフォーム

(駐車場からホリフォード川を吊り橋で渡ってから20分ほどでレイクマリアンから流れ来る川の流れが連続して落ち込む滝の流れを見下ろすことができる見晴らし台まで行けます。ここまでは道もよく整備されているので一般の観光客もやってきてます。この先からぬかるみの道に変わり、山道へと入って行き、1時間半ほどでレイクマリアンまで登っていけます。)

レイクマリアントラック

(このレイクマリアントラックの好きなところは、まず原生林の森の中のシダや苔がきれいで、たくさん生い茂っています。特にミズゴケ(Sphagnum moss)はこのような一般のトレッキングルートでは特にきれいにたくさん見られます。)

レイクマリアントラック

(道のりは基本的に岩や木の根っこが地面にたくさん出ていて、片足はいつでも岩、もしくは木の根っこの上に載っている状態で歩いていくと思っていたらいいでしょう。また時には両手を使う必要のある山壁をよじ登ったり、降りたりすることもある道のりです。)

レイクマリアン

(森を抜けると目の前にはこの絶景が飛び込んできます。この日は晴れていて、気温も高めだったので多くの人が日光浴を楽しんでいました。欧米のバックパッカーには知れ渡っているのか?みんな水着に着替えるか、男の子は短パン一つで日光浴を楽しんでいました。さすがに湖の水は氷水ということを知っているのか?泳いでいる人はいませんでした。この日は風が少しあったのでこんな日光浴も楽しめる日でしたが、これが湖の湖面が鏡の状態になる無風の日は景色はとてもすごいのですが、サンドフライがたんまり出てきて落ち着いて留まってはいられなくなるところです。)

 

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(レイクマリアントラックのGPSマップと高低差表)

歩いてNZにもこのレイクマリアントラックのトレッキングを紹介しています。

マウントクックの隠れた絶景トレッキングルート

マウントクックの麓を特別装備も無くて絶景を楽しみながら少し頑張って日帰りで歩ける、けれど一般的にはほとんど知られないトレッキングルートがあります。そのキャラロインハットルートを歩いてきました。

マウントクックには人気のフッカーバレートラックを始め、半日でも歩けるトラックがありますが、最近は観光客の増加と共に安全面を考慮してか、どのルートもお気軽遊歩道のようなに整備されつくしています。そんなウォーキングトラックではなくて、あまり整備もされてなくてある程度技量と体力が必要なトレッキングルートとしてミューラーハットへのルートがあります。そのミューラーハットルートに匹敵する絶景が見られて、そしてミューラーハットルートほどには一般的には知られていない、DOCが発行するトラックマップにも載せられていないのがこのキャロラインハットルートです。

このキャロラインハットはマウントクック国立公園内唯一あるプライべートハットでAlpine Recreationというテカポを本拠地とする会社所有のハットです。このAlpine Recreationが主催するボールパス・クロッシングという2泊3日のツアーのお客さんだけが泊まれるハットです。このボールパスを越えるルートをツアーに参加さずともテント泊で1泊、もしくは2泊で歩きぬくことが可能ですが、途中にはボール氷河を歩くことになるのでアイゼンやアイスアックスなどが必要にもなります。だけどキャロラインハットまでなら麓から何とか頑張れば日帰りでも、そして特別装備なくとも歩けるルートです。実際3月26日(イースターの中日です。)に歩いた際は日帰りと思われるトレッカーに数名遭遇しました。またテント泊のグループにも行き帰りでは数組出会いました。

このルートはこれまでの憧れのルートでもあって、過去にはそのルートを途中からロストして時間切れとなって引き返したルートでもあったのですが、今回は何度もロストしながらも何とかその尾根の最高地点までは行けたルートとなりました。このルートで見られる絶景というのは何といってもマウントクックの山肌、本当のマウントクックの東斜面=Caroline Faceに垂れ下がるキャロライン氷河を真横に見据えながら、眼下にはその氷河が流れ、そして谷間を挟んで東側にはタスマン氷河が流れ込む谷をパノラマで見晴らすことができます。フッカーバレーから見られるマウントクックより間近に(実際は近づきすぎているのでマウントクックの高い方の山頂は見えません。けれどCaroline Faceの山頂はマウントクックのLower Peakです。)マウントクックを見て、ミューラーハットルートより懸垂氷河を間近に見上げることができ、そして遊覧飛行などでしか見ることのできないタスマン氷河の全景を見下ろすことができるルートとなります。

またその山道はミューラーハットルートより人が入っていない未整備のルートで、ケルンだよりの道のりが大半で、そして急斜面がずーっと続く、登山を楽しんでいる人には面白いルートとなります。ただこのルートを日帰りで歩くには距離が長すぎることが難点になります。一般的にはルートの入口のボールハットで一泊後キャロラインハットまで往復するか、キャロラインハット近くでテント泊するのが通常です。日帰りでキャロラインハットまで往復歩くとすると車をタスマン氷河見晴らし台があるブルーレイク駐車場で停めてボールハットまで片道2-3時間、そしてキャロラインハットルートの急斜面を往復すると4時間はかかります。合計8~10時間ほどは歩くことになります。それだけの体力が必要になります。3/26に歩いた際は過去の経験からブルーレイク駐車場からさらに車で4WD専用道路をボールハットルートの3/1ぐらいまで入ってから歩き始めて、少し早めに歩いたつもりですが、車を止めたところまで戻ってくるのに約7時間半はかかりました。距離として往復16kmほど。標高差は890mほどになりました。

マウントクックブルーレイク駐車場

(マウントクックにあるタスマン氷河見晴らし台へと歩いて行けるブルーレイク駐車場から4WD専用道路がさらに奥へと続いています。ここから歩き始めてボールハットまで片道2~3時間、そしてキャラロインハットまで片道2時間ほどの山道です。)

マウントクックボールハットルート

(ボールハットルートはあまり傾斜の無い4WD専用道路が3分の2ほど続きます。この4wd専用道路は車高が高くないSUV車だと床下が当たるほどの岩がかなり点在しています。また歩きやすい道でもありません。)

マウントクックボールハットルート

(ボールハットルートを3/2ほど行くと車も通れない道に変わり、ここまではモレーンの岩壁で見られなかったタスマン氷河を眼下に見下ろせる道のりになります。)

マウントクックボールハットルート

(ボールハットルートも後半はオレンジの道標を頼りのルートになります。前方にはズーットタスマン氷河の流れを見晴らしながら歩けます。けれど左側は後程上って行く高い山肌が邪魔をしてマウントクック自体は見ることができません。)

マウントクックボールハットフラット

(ボールハットルートの先端の平坦な岩場になっている所にDOC管理のボールハットが有ります。ここまで来てタスマン氷河の景観を楽しむ人もいます。ここからはキャロライン氷河は見ることができません。)

マウントクックキャロラインハットルート

(ボールハットから少し前方へと歩くことができるトラックを進むと左手の山肌を上って行くルートに自然と差し掛かります。この崩れた山肌にもケルンがあって、確かにここから上って行くのが分かるでしょう。DOCが整備しているルートでは無いのでその入り口には標識などありません。)

マウントクックキャロラインハットルート

(登り口から小さなケルンだよりに、それでも時折は手の入ったルートを上って行くと尾根に差し掛かります。この尾根からは絶景が広がります。前方にはキャロライン氷河をマウントクックの頂上まで見上げることになり、眼下にはその氷河の流れを見下ろします。)

キャロラインハットルートパノラマ

(キャロラインハットルートの尾根に差し掛かったところから見晴らせる絶景パノラマ。左手後方にはタスマン氷河の流れが見晴らせます。)

マウントクックキャロラインハットルート

(尾根に差し掛かった後はその先に見上げる頂上まで登ることになります。基本的にはちゃんとルートがあります。また尾根伝いですが一般的に無理なところは東側(山を見上げて左斜面)の斜面にルートが見つかります。)

キャロラインハットルート

(ルート上には麓からこのような大岩のルートが何度も出てきます。この岩のうえには小さいケルンがあり、それを頼りに上って行きます。ここで私は何度もロストしました。また上部の数か所は岩壁をよじ登ったり、ほぼ垂直に降りなければならないところも出てきます。)

マウントクックキャロラインハット

(尾根の頂上まで上って行くと、遠くにはプカキの湖も見れます。この写真の右奥にはキャトライン・ハットがあるのが分かります。この日はそこまで行かずにこの尾根の頂上(1785m)で絶景を楽しんだ後に降りてきました。)

マウントクックタスマン氷河

(マウントクックの東斜面に垂れ下がるキャロライン氷河の景観も大迫力ですが、東奥に見晴らすタスマン氷河の姿はここまで登って来なければ見られない景観です。)

マウントクックキャロラインハットルートパノラマ

(キャロラインハットルートの上って行く尾根とマウントクックのキャロラインフェイスの氷河のパノラマ景観。)